ブルーラジカル治療(ライター作成)

歯ぐきを「切らない」歯周病治療
という新しい選択肢

歯ぐきを切らずに、歯周ポケット内の細菌にアプローチする自由診療の歯周病治療です。

ブルーラジカルと検査機器のイメージ

歯周病治療といえば、歯石を取るスケーリングや、進行度によっては歯ぐきを切開する外科手術が避けられないと考える方が多いでしょう。
しかし、近年では外科処置を行わずに歯周病へアプローチする方法も登場しています。みやはら歯科医院では「できる限り歯を残したい。でも、外科手術は避けたい。」というご要望に応えるため、自費診療のブルーラジカルをご用意しています。

ブルーラジカルP-01は、歯周ポケット(歯と歯ぐきの境目の溝)の内部に潜む細菌に対して、薬液と青色の光を組み合わせてアプローチする医療機器です。
歯ぐきを切開することなく、ポケット内部の環境改善を目指せる点が大きな特徴で、従来のスケーリングなどの基本治療で改善が難しい症例や、外科処置を避けたい方におすすめの選択肢です。すべての症例に対応できるわけではありませんが、外科処置を避け、歯を残せる可能性を広げます。

みやはら歯科医院の歯周病治療の考え方と、
ブルーラジカルの位置づけ

当院では、歯周病治療において、「できるだけ外科処置を行わず、歯を残す」という方針を大切にしています。院長は、患者様一人ひとりの状態に合わせて、複数の治療法を組み合わせることで、より良い結果を目指すべきだと考えているのです。

当院が取り組む多角的な歯周病治療

基本となるのは、スケーリングやブラッシング指導といった従来からの治療です。しかし当院では、それだけにとどまりません。光殺菌治療やオゾン水を用いた殺菌処置、歯周組織の再生を促すリグロス、細かい粒子で汚れを落とすペリオパウダーなど、さまざまな選択肢を患者様の状態に応じて組み合わせています。

こうした取り組みの背景には、「歯周病は細菌感染によって引き起こされる疾患であり、その細菌を減らすこと、そして再び増やさないための環境づくりが何より重要」という考え方があります。

ブルーラジカルの役割とは

ブルーラジカルは、こうした当院の歯周病治療の延長線上にある選択肢の一つです。特に、歯周病がある程度進行し、従来の治療法だけでは改善が難しい場合に、外科処置をできる限り減らす目的でご提案することがあります。

ただし、すべての患者様にブルーラジカルを行うわけではありません。あくまで検査結果や歯ぐきの状態、患者様のご希望などを総合的に判断したうえで、適していると判断した場合にご提案するオプション治療です。保険診療で改善が見込める場合はそちらを優先します。また、ブルーラジカルを行っても効果が見込めない状態の場合は、別の方法をご案内します。
当院では治療方法を一方的に決定することはありません。検査で得られたデータをもとに、現在の状態や治療の選択肢、それぞれのメリットや注意点を丁寧にご説明し、患者様が納得できる方法を一緒に考えていくことを大切にしています。

ブルーラジカル P-01 本体写真

ブルーラジカルの仕組みと特徴・安全性

ブルーラジカルがどのような治療なのか、その仕組みや特徴を具体的に見ていきましょう。

ブルーラジカルの仕組み

ブルーラジカルは、薬液と光を組み合わせて歯周ポケット内の細菌を減らすことを目的とした治療です。使用するのは3%の過酸化水素水と405nm前後の青色レーザーで、過酸化水素水をポケットに注入した後にレーザーを照射すると、ヒドロキシルラジカルと呼ばれる活性酸素が発生します。

この活性酸素が歯周病菌に作用し、強い殺菌効果を発揮します。発生したラジカルはごく短時間で消失するため、周囲の健康な組織への影響は最小限に抑えられるよう設計されています。

ブルーラジカルの特徴

ブルーラジカルは、専用チップの超音波振動によって歯周ポケット内の歯垢や歯石を効率よく除去できます。同時に殺菌処置も行えるため、手作業では届きにくい深い部分までしっかりアプローチできる点が大きな特徴です。いわば、従来のクリーニングに「薬」と「光」の力が加わった新しいタイプの治療といえます。

さらに、ブルーラジカルは国内で医療機器として正式に認証されており、使用する過酸化水素水は一般的な消毒薬と同程度の濃度、青色レーザーも安全基準内の出力で使用されます。施術は歯科医師が状態を確認しながら進めるため、安全性が高く安心して受けられる治療法です。

ブルーラジカル P-01 本体写真

どんな方に向いている?
ブルーラジカルのメリットと注意点

ブルーラジカルは、すべての患者様に適しているわけではありません。症状の進行度や患者様の希望によって有効な場合とそうでない場合があり、精密な検査結果を踏まえて判断する必要があります。ここでは、治療のメリットと注意点を紹介します。

ブルーラジカルが向いている方

ブルーラジカルは、歯周病が中等度から重度に進行しているものの、外科的な処置はできるだけ避けたいと考えている方に向いています。また、従来の治療を繰り返しても改善が難しく再発を繰り返している方、さらにインプラント治療や矯正治療を控えており、その前に口腔内環境を整えておきたい方にも検討する価値があります。

ブルーラジカルのメリット

  • メリット

    • 歯ぐきを切開せずに歯周ポケットの奥深くまでアプローチできる可能性を持っている治療法です。
    • 外科手術と比べると術後の痛みや腫れが少なく、身体的な負担を抑えやすいとされています。
    • 治療後すぐに日常生活へ戻りやすい点も、大きな特徴の1つです。
    • 抗生物質に依存しすぎない治療を目指せ、歯周病治療では抗生物質を使うことがありますが、長期間の使用は耐性菌の問題を引き起こす可能性があります。ブルーラジカルは光と薬液の作用で細菌そのものを減らすため、抗生物質の使用を抑えられる場合があります。
    • インプラント治療や矯正治療を予定している方にとっては、事前に口腔内の細菌を減らすことで治療の成功率を高める助けになる可能性があります。
  • 知っておきたい注意点

    • ブルーラジカルは、自費診療(保険適用外)のため、治療費は全額自己負担となり、対象となる歯の本数や範囲によっては高額になることがあります。
    • この治療は歯周組織そのものを再生させるものではありません。失われた骨や歯ぐきを元に戻すことはできず、あくまで細菌を減らし進行を抑えることを目的としています。
    • ブルーラジカルは日々のケアや他の治療と組み合わせることで効果が最大限発揮できる治療です。ブルーラジカル治療は、歯周病からの完全回復を保証するものではありません。

ブルーラジカルだけに頼るのではなく、検査・基本的な歯周病治療・生活習慣の見直しと組み合わせて、歯周病の進行をコントロールしていくイメージの治療とお考えください。

従来の方法
(超音波スケーラーのみ)のイメージ

超音波振動のみでの歯周病治療イメージ

一般的な歯周病治療では、超音波スケーラーなどで歯石やプラークを物理的に除去する方法が用いられます。浅い歯周ポケットでは十分な効果が期待できますが、歯周ポケットが深くなるほど、器具の届きにくい部位に「取り残し」が生じやすいとされています。

イラストのように、前歯や大臼歯の一部では、重度の部位が残ってしまうことがあり、症状によっては化学的なアプローチ(薬剤を用いた治療)が必要になることもあります。

ブルーラジカルのイメージ

超音波振動とラジカル殺菌を組み合わせた治療イメージ

ブルーラジカルでは、3%過酸化水素水を主成分とした薬液を歯周ポケット内に注入しながら、波長405nm前後の青色レーザーを照射します。薬液と光が反応して「ヒドロキシルラジカル(活性酸素)」が発生し、歯周ポケット内の細菌に作用することが特徴です。

同時に、チップ先端の超音波振動によって歯石やプラークを機械的に除去できるため、「機械的なお掃除」と「化学的な殺菌」を同時に行うことをめざした治療といえます。

ただし、どの治療法にも限界があり、ブルーラジカルであれば必ずしもすべての歯が守れるというわけではありません。お口の状態を確認したうえで、他の治療や生活習慣の見直しと組み合わせながら進めていきます。

みやはら歯科医院でのブルーラジカル治療の流れ

ブルーラジカルは、正確な検査と綿密な治療計画に基づいて実施することで、より高い効果が期待できる治療です。当院では、治療の前後に歯周精密検査を実施し、そのデータを「ペリミル」というアプリで記録・可視化しています。患者様自身が治療の進行状況を確認できるため、日々のセルフケアや予防習慣の定着にもつながります。

STEP1 初診相談と詳しい検査

最初に行うのは初診相談です。お口のお悩みを丁寧に伺ったうえで、歯周病の進行度を正確に把握するための検査を行います。

歯周精密検査は、歯ぐきの健康状態や歯を支える骨の吸収度を詳しく調べる検査です。歯周ポケットの深さを1本の歯につき複数箇所で測定し、炎症や汚れの場所を正確に把握します。

さらに、骨の状態を確認するためのレントゲン撮影、歯ぐきの色や形を記録する口腔内写真の撮影、細菌の種類や量の確認を行う「オルコア」での唾液検査も行い、総合的に状態を把握します。これらの検査により、歯周病の進行度や必要な治療が明確になります。

STEP2 歯周基本治療

ブルーラジカルの効果を十分に引き出すためには、まず保険診療による歯周基本治療を行い、歯ぐきの炎症を抑えることが欠かせません。スケーリングや根面のクリーニングを行い、日々のブラッシング方法についても丁寧にお伝えします。生活習慣が歯周病に影響している場合は、改善のアドバイスも行います。

基本治療後は、どの程度改善が見られたかを再評価します。歯周ポケットが浅くなったり炎症が治まったりすれば、ブルーラジカルを行わない場合もあります。逆に、深いポケットが残る部位や改善が乏しい箇所では、ブルーラジカルによる追加治療が適応となります。

STEP3 検査結果の説明と治療計画の提案

検査結果は資料にまとめ、数値や画像を用いてわかりやすくご説明します。どの部位がどの程度進行しているか、細菌の状況はどうかを明確にしたうえで、ブルーラジカルを行う場合の治療計画をご提案します。対象となる歯の本数や施術回数、他の治療法との併用の有無などを具体的に示し、費用や通院回数、治療期間についても詳しくお伝えします

STEP4 ブルーラジカル施術

施術は局所麻酔を行い、痛みを感じにくい状態で進めます。歯周ポケット周辺を洗浄したあと、過酸化水素水を注入し、青色レーザーを照射しながら超音波振動チップで歯石や歯垢を除去します。

処置時間はおよそ30分前後ですが、対象歯の本数や状態により変わります。施術中に強い痛みを感じることはほとんどありませんが、違和感があればすぐにお申し出ください。施術後は麻酔が切れるまで唇などを噛まないよう注意してください。治療後にしみる症状や軽い腫れが出る場合がありますが、多くは数日以内に改善します。

STEP5 経過観察と再評価

ブルーラジカル施術から1週間〜1か月の間にご来院いただき、歯ぐきの治り具合や炎症の変化を確認します。必要に応じて追加の清掃やブラッシング指導も行い、セルフケアのレベルをより高めていきます。

施術から約3か月後には再度歯周精密検査を実施し、改善度を客観的に評価します。その結果に基づき、今後のメインテナンス計画や通院間隔について患者様と相談しながら決定します。

歯周ケアサポートアプリで
しっかりフォロー

当院では、歯周病治療後のセルフケアをサポートするために、行動変容支援アプリ「ペリミル」も活用しています。ご自宅での歯みがきや生活習慣を記録・見える化し、歯科医院と情報を共有することで、日々のケアを続けやすくする仕組みです。

  • 歯周病リスクや治療経過のチェック機能
  • 歯みがきタイマー・カレンダー機能
  • 歯科医院からのメッセージ配信機能
ペリミルアプリの画面イメージ

ブルーラジカルによる対症療法と、ペリミルを用いた原因療法(行動変容)の両方からアプローチすることで、歯周病の再発リスクを減らすことをめざします。

費用の目安

ブルーラジカルは自費診療のため、治療本数や部位によって総額が変動します。また、保険診療で必要となる検査や基本治療費が別途かかる場合があります。以下に当院の費用の目安をまとめます。

項目 料金(税込) 備考
診査料金 33,000円 ブルーラジカルを希望して初来院された方のみ。通院中の方は無料。
ブルーラジカル治療
(1〜9歯まで/1歯あたり)
16,500円 部分的な治療をご希望の場合。
ブルーラジカル治療
(10歯以上〜/1歯あたり)
13,200円 全体的、または広範囲の治療の場合。
本数が多いほど1歯あたりの単価がおさえられます。
インプラント部への
ブルーラジカル治療(1歯)
22,000円 インプラント周囲炎のケアとして行う場合。
メンテナンス(自費) 33,000円 治療完了後の、自費でのメンテナンス費用です。

どの歯に、どの程度ブルーラジカル治療を行うかによって、総額は変動します。また、保険診療で行う検査・基本的な歯周病治療(スケーリングなど)の費用や、インプラント治療・矯正治療をあわせて行う場合の費用は別途となります。

治療内容や範囲によって費用は変わりますので、詳しい金額はカウンセリング時に書面でわかりやすくご説明しています。

まとめ/受診を検討されている方へ

ブルーラジカルは、歯ぐきを切開せずに行える新しい歯周病治療の選択肢です。みやはら歯科医院では「できる限り歯を残し、患者様の負担を減らす」方針のもと、必要に応じてご提案しています。
ただし、どんなに優れた機器を用いても、毎日のセルフケアと定期的なメインテナンスこそが治療効果を維持するための重要なカギとなります。

外科処置に不安がある方、歯を長く守りたい方は、まずお口の状態を詳しく検査してみることをおすすめします。適切な治療方法を一緒に考えていきましょう。