ブログ

ブログ

お子様の乳歯に関して

日々の臨床から乳歯の管理がいかに重要かと日々感じる毎日です。乳歯というのは咀嚼、発音、発生、永久歯の萌出スペースの確保等、非常に重要な器官です。ただ一つ、保護者の皆様に注意していただきたいことがあります。乳歯はとても弱い(耐酸性が低い)ということ。気を抜くとあっという間に虫歯になってしまいます。虫歯の好発部位としては、解剖学的構造から噛む面の深い溝や、歯と歯の間です。溝に関しては『シーラント』と呼ばれる虫歯予防処置を施すことである程度リスクは抑えられますが、歯と歯の間に関しては日常の清掃管理に依存してしまいます。また、最近のお子様は顎骨と乳歯幅の不調和が多く、『霊長空隙』と呼ばれる乳歯間の隙間がない子が増えているため、歯ブラシだけではどうしても管理しきれないのが現状です。そこで、乳歯列期のうちからデンタルフロス(糸ようじ)の使用を心がけてください。清掃補助器具の使用を幼い頃から習慣化することで、将来の歯牙の生存期間がグンと伸びます。

日本の国民皆保険制度が今後どのようにシフトしていくかはわかりませんが、一部の先進国では傷病保険(何か病気が発生してから保険適応)から予防保険(病気になる前の予防処置を行うときに保険適応。治療に関しては自費診療)へのシフトが生じています。もし仮に将来日本が予防保険へとシフトしたと仮定するとお子様達の将来の経済的負担がかなりのものになると予想されます。仮に自費で小さな虫歯1本治療するのにいくらかかるかご存知の方は少ないかと思います。先進国、アメリカを例に挙げると、コンポジットレジン(白い詰物)でおおよそ1〜3万円、神経をとる治療はおおよそ5万円、被せ物1本10万円、親知らずの抜歯1本15万円と、とてつもなく高額になります。

以上のことより、大切なお子様の将来を見据えて今のうちから備えることがとても重要です。